頭蓋底専門 脳神経外科医 大森一美 | 兵庫 関西 頭蓋底腫瘍・三叉神経痛・脳動脈瘤手術実績5000例以上

錐体斜台部腫瘍 petroclival tumor 20代 男性 再発

20代の男性。以前に手術を受けていましたが、頭蓋底の深い部分に腫瘍が再発しました。 腫瘍が存在する「錐体斜台部(petroclival region)」は、脳の中でも特に手術が難しい場所のひとつです。脳幹のすぐ近くに位置し、その周囲には脳神経や重要な血管が集中しています。 このような深い場所にある腫瘍に対して、脳の表面から奥へ向かって手術を進めると、腫瘍に到達するために脳を大きくよける必要があります。 そこで今回は、耳の周囲にある頭蓋底の骨を必要な範囲で削り、**脳をできるだけ動かさずに、より近い位置から腫瘍へ到達する semicombined transpetrosal approach(経錐体法)**を用いました。 この方法の大きな利点は、単に腫瘍までの距離を短くすることだけではありません。腫瘍を一方向から見るのではなく、角度を変えながら広く観察できるため、腫瘍の裏側にある脳幹、脳神経、血管を確認しながら手術を進めることができます。 再発手術では、以前の手術による癒着が加わるため、初回手術以上に慎重な操作が必要です。 今回の症例では、この手術経路を利用して重要な神経や血管を確認しながら腫瘍を剥離し、再発腫瘍を全摘出することができました。 頭蓋底手術で大切にしていること 頭蓋底手術では、小さな開頭で手術することが必ずしも低侵襲とは限りません。 私は、必要な骨を適切に削ることで十分な手術経路を確保し、脳を無理に引っ張らず、腫瘍と重要な神経・血管を直視できる状態を作ることが、安全な手術につながると考えています。