
40代の男性。過去に髄膜腫の手術を受けていましたが、その後、腫瘍が再発しました。
脳の内部には、大脳と小脳を隔てる**「テント(小脳テント)」という硬い膜**があります。この腫瘍は、そのテントをまたいで上下に進展し、さらに脳の深い部分にまで及んでいました。
このような腫瘍では、一方向から無理に摘出しようとすると、脳を強く圧迫したり、深部にある重要な神経や血管が見えにくくなったりすることがあります。また今回は再発腫瘍であり、以前の手術による癒着にも注意が必要でした。
そこで、耳の周囲にある頭蓋底の骨を必要な範囲で削り、**テントの上側と下側の両方向から腫瘍に到達する semicombined transpetrosal approach(経錐体法)**と呼ばれる特殊なアプローチで行いました。今までの福島先生の教えを少しmodifyしたアプローチです。
頭蓋底手術では、単に「大きく開ける」ことが重要なのではありません。腫瘍の位置と広がりに合わせて最も適した手術経路を作り、脳をできるだけ動かさず、深い部分を直視できるようにすることが重要です。
今回も、この手術法を用いて深部の重要な神経や血管を確認しながら、腫瘍を摘出しました。