蝶形骨縁髄膜腫 shenoidridge meningioma 60代 男性
60代の男性。頭痛を主訴に受診され、MRI検査で左側の頭蓋底に大きな腫瘍を認めました。診断は蝶形骨縁髄膜腫でした。
蝶形骨縁は、脳の底にある「頭蓋底」と呼ばれる場所の一部です。この周囲には重要な血管や神経が存在するため、髄膜腫の中でも、腫瘍の大きさや進展する方向によっては慎重な手術操作が必要になります。
このような手術で重要なのは、単に腫瘍を取り除くことだけではありません。脳をできるだけ傷つけずに腫瘍を剥がしていくことが大切です。
脳と腫瘍の間には、「くも膜」と呼ばれる非常に薄い膜があります。手術では、この膜をできるだけ脳側に残しながら、腫瘍との境界を丁寧に見極めて剥離していきます。 良好なくも膜の層を保つことができれば、脳そのものや脳表の細い血管を傷つけるリスクを減らしながら腫瘍を摘出することができます。
今回の症例では、この脳と腫瘍の境界となるくも膜を慎重に温存しながら剥離を進め、腫瘍を摘出しました。